[#123] 何とも言えない 『POP UP STORE』

『POP UP STORE』

天王寺のbeamsで三万円もするアウターを買う時は清水の舞台から飛び降りるようだった。

そんな学生時代。

アメ村や堀江で今まで何万円使ったのだろう。

洋服は自信のない自分に自信を与えてくれる。

KITSUを始めてから思うのは、僕は洋服のことを何も知らないんだなということ。

でもそれを楽しめること。

それは僕の長所なのかもしれない。

東京に来て「POP UP STORE」とか「展示会」とか色々呼んでもらうことも増えた。

でもその二つの違いすらわかっていなかった。

借りてきた猫のように浮遊し、申し訳ない程度に一番安いTシャツを買う。

基本的に洋服は誰ともかぶりたくない。

そんな思いから今では古着屋さんで洋服を買うことが増えた。

学生の時によく行っていた金がないから仕方なく安い古着屋に行く、という意味合いではない。

なんなら高い。

でもそれもまた自信のない自分に自信を与えてくれる。

今まで東京で何回かPOP UP STOREをやらせてもらった。

予想以上に疲れた。

体力にはそれなりに自信があるにも関わらず。

二日間立ちっぱなし。

全国の接客業の人を尊敬した。

先日のPOP UP STOREでも同じ想いだ。

でもそれ以上の達成感があった。

ライブの達成感とは違う。

どちらも味わえるのは幸せなことだろうと思う。

何でもかんでもやってみないとわからない。

トライ&エラーだ。

ってな性格のためエラーが多めの人生なのだが、今回初めて大阪でもPOP UP STOREを開催する。

何だかこれはライブと同じ感じがある。

初めて福岡でワンマンライブをした時と同じだ。

あんなワクワクをまた味わえるのか。

いやこれからも新しいことにチャレンジすれば味わえるのかもしれない。

アパレルを始めた。

天王寺で何万円か握りしめて洋服を買った僕みたいな人が来てくれた時に恥じないアイテムを用意しておきたい。

バンドを始めた。

ビビりながら初めてライブハウスに入った高校生の時の僕のような人が来てくれた時に恥じないライブをしたい。

才能もセンスも頭脳もない僕はそういう想いだけで地面に立っている気がする。

バンドでもKITSUでも。

たぶん人生は短い。

交通事故で一回死にかけたことがある身としても思う。

言葉では簡単だが、やりたいことを一つでも多くやる。

それは好きなことだけやるのとは違う。

やりたいことをやるために頑張るのだ。

楽しみながら。

楽器を持たずに行く大阪は年末年始の帰省以外にない。

POP UP STOREお待ちしてます。