ハートをおくったユーザー
ハートをおくったユーザーはいません

[#298] 何とも言えない『友達との話を覗かれている』
『友達との話を覗かれている』
下北沢は雨。
思い出話も良い。
でもそれだけじゃなく現在と未来の話もしたい。
後先短いジジイになっても未来の話を彼とならできる気がする。
彼はいつも横に、いや前に居たから追いかけるように生きた。
憧れとも違う、嫉妬とも違うそれに名前はあるのか。
いつも自分よりテストの点数が高い友達という感覚だろうか。
陽と月を書いている時にこの感覚を呼び戻していた。
今では違う学校に進学したけど仲の良い友達という感覚だ。
あの頃みたいに毎日教室では会わない。
軽く飯行こう。
イベント終わりに適当な店に入る。
彼は車なので飲まない。
僕だけ飲むことになるけど一人で飲む酒も美味いことに変わりはない。
年齢、生まれた場所、学校、クラス、進路、仕事、職場、引越し先、家族、趣味。
これらが重なって今がある。
それって世間では奇跡と呼ばれるやつなんじゃないだろうか。
美談とか綺麗事はあんまり好きじゃない僕でも、さすがに奇跡だなと思う。
たぶんもう僕にはそんな友達は死ぬまでに1人も出来ないのだろう。
それはそれで寂しさを覚える。
適当に入ったタイ料理を貪りながら思っていた。
幸せの尺度の話も彼らしくて僕は爆裂にテンションが上がる。
「バンドに軸を置いていない」
彼はそう言う。
これって受け取られ方次第では結構なこと言ってるのに、彼が言うと柔らかいボールを投げられたかのようにスッと手の中に収まる。
不思議な空気を昔から纏っていたなぁと思う。
もし彼が幼馴染とバンドをしていなければとっくにバンドマンじゃなくなっていたと思う。
だからこそ彼は「バンドに軸を置いていない」と軽やかに言ってのけるのだ。
僕には踏み込むことのできない絆があるからだ。
絆なんて言うと彼は照れて嫌がると思うが、それ以外の言葉が見当たらない。
トークライブの中でもし自分が自伝を書くことがあったら、ヒロキの陽と月と内容ほとんど被ってしまうという話があった。
それくらい同じ経験をしたり、経験を共有し合った。
でも僕は彼が僕なんかよりも読書家で、僕なんかよりも独自の言葉を持っていると知っている。
内容が被っていても彼なりの角度や言葉があるだろう。
絶対書かないと思うけど、いつか書いてほしい。
自伝が恥ずかしければLINEで送ってくれてもええから。
こちらのコラムが気に入った方はハートでのご支援をお願いします。
支援金の一部は、吃音症で苦しむ方々のNPO法人へ寄付されます。
