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[#292] 何とも言えない『浴衣』
『浴衣』
浴衣が欲しい。
もういい大人なんだから浴衣の一枚くらい持っておきたい。
でも浴衣で出かけた時の過ごしにくさは想像できる。
絶対にTシャツと短パンとサンダルが一番過ごしやすいに決まっている。
それでもクールに浴衣を着こなせる大人にも憧れる。
というか着方もわかっていないのが現実だ。
たぶん作法とか色々あるんだろう。
それら諸々考えると年に一回くらいしか着ない安くはないであろう浴衣を買うのを躊躇ってもう何年目だろう。
娘には浴衣がある。
去年も着ていた浴衣が二着もある。
アンパンマンのピンクの浴衣と、いただいた向日葵の黄色い浴衣。
あいつは産まれてまだ二年も経っていないのに浴衣が二着もある。
産まれて40年以上経つ僕には浴衣がない。
去年の祭りでもその二着は大活躍してたくさんの写真が残っている。
娘が通っている保育園の夏祭りがあった。
さすがに大人は普段着なのだが、子供たちは可愛い浴衣や甚平で来園するらしい。
ピンクの浴衣か黄色い浴衣、どっちにしようかと前夜から二択を楽しむ。
当日の朝、いざ着てみようとパジャマを脱がせる。
娘は素っ裸にオムツ。
なんて可愛いフォルムだ。
肌着を着せて、向日葵の浴衣を羽織る。
眩しい。
可愛すぎる。
しかしお股の部分のボタンを留めようとした時だった。
「あれ、ボタン留まるけどギリギリなんやけど。。。」
娘よ、この一年でそんなに大きくなったのか?
「じゃ、じゃあ。。。あのアンパンマンのやつにしよ!」
ピンクのアンパンマンの浴衣を羽織る。
「やばい、これはボタン留まりもせえへん。。。」
途方に暮れる親たち。
何もわからずヘラヘラしている娘。
夏祭りはもうすぐ。
保育園では可愛い浴衣のお友達がたくさん。
うちの娘の浴衣だって可愛い。
でも上は浴衣で、下はズボンという格好の子供はうちの娘だけだった。
結果的に上の浴衣に合うズボンを履いてもらって何とか甚平みたいな感じにはなった。
娘ちゃんまじでごめんよ。
パパは君の成長を舐めていたよ。
夏祭りが始まってしまえば格好なんて気にせず過ごせたのだが、再来週には街の盆踊りがある。
妻が一瞬で新しい浴衣を買っていた。
娘、産まれてまだ二年も経っていないのに浴衣三着目。
パパもそろそろ買うか。
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