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[#290] 何とも言えない『夏フェスにもいたメッシとヤマル』
『夏フェスにもいたメッシとヤマル』
ワールドカップの決勝はメッシとヤマルの対決。
昔イベントでメッシがまだ赤ちゃんだったヤマルをお風呂に入れている写真が話題になった。
そんなヤマルが今ではスペインのエースになり、メッシがまだ君臨するアルゼンチンに立ち向かう。
漫画みたいな本当の話。
そしてメッシは敗れ、ヤマルが新たな王者となった。
今年の夏フェスは酷暑も、雨も、雷も全部経験した。
出演者よりも関係者スタッフ、何よりお客さんが大変だと思う。
来ていただいた方々の体調はあれから大丈夫でしょうか?
北海道はたまに強い雨もあるが、小雨が続く天気。
ジョインアライブに来るお客さんはLEGO BIG MORLを覚えているだろうか。
もしくは初めてでも興味を持ってくれるだろうか。
久しぶりのフェスに楽しみよりも緊張が上回っていた。
ただ今回のスケジュールはなかなかタイトである。
ライブが終わって一時間以内には空港へ向かうバスに乗らないといけない。
でもライブ中はそんな緊張も、時間に縛られた想いも全て忘れて夢中でライブができた。
待ってくれてた人の顔、偶然通りかかり足を止めてくれた人、木陰で雨宿りしながら体を揺らす人。
その奥には森が見える。
霧のように降る雨。
音が染み込んでいく。
ファンタジーでドリームポップな夢を見ているようだった。
帰りのバスでエゴサしたら好評で安心した。
ジョインアライブだけに限らず今年のフェスでの感想が嬉しいものが多い。
実際僕らのステージが人で溢れていたかと言えばそうではない。
でも大切なのはそこにいた人の数ではなく、刺さった人の数だと信じたいので素直に嬉しい。
その嬉しさと、とあるもう一つの嬉しさを抱いてバスに揺れる。
空港にはすぐに着いた気がした。
ライブを終えて機材を片付ける。
僕らのステージの次のアーティストはSalyu姐さんだ。
姐さんと言っているのは元々同じ事務所だったから。
挨拶を済ませ、サッポロクラシックやジンギスカンを流し込む。
なんたって僕らには自由時間が一時間も無いのだから。
するとバイトのスタッフの男の子が声をかけてくれた。
「ヒロキさん、僕のこと覚えてますか?」
僕も少し前まで同じくらいロン毛だったなと彼を見ながら、脳をフル回転して考えても思い出せない。
彼が男の子で良かった。
もし女の子なら別の意味でも焦っていたかもしれない。
「ごめんなさい、誰でしたっけ?」
「九年前にジョインアライブでヒロキさんに抱っこしてもらったんです!」
その瞬間に脳が瞬間解凍したかのようにじゅわりとその時の景色や、彼の面影や、抱っこした写真まで全て思い出した。
「え!!!!!あの時の男の子!!!???」
「今回LEGO出ると知ってジョインのバイトに申し込んだらLEGOのステージの近くに配属されました」
忘れらんねえよというバンドのサポートギターでジョインアライブに参加した時のこと。
ライブ終わりに会場をぶらついている時にまだ小学生の彼と触れ合った。
LEGOも忘れも好きだという変わった趣味の小学生で、彼をお姫様抱っこして記念写真を撮った。
そんな彼が立派な青年になり、ロン毛になり、バイトまでする年になっているなんて。
そりゃLEGOも20周年なわけだ。
「今は音楽とは違うけど、デザイン系の仕事に就きたくて勉強してます」
「まじか。。。。ちょっと感慨深すぎて、おじさん泣きそうです」
色んなバンドマンや関係者とも乾杯したり話したりする予定だったけど、それは東京でもできる。
「あんまり時間なくてすぐ空港行かなあかんけど、ギリギリまで喋ろ!」
そう言って彼と霧みたいな雨の降る中話し込んだ。
それはファンタジーでドリームポップな夢のようだった。
もちろん僕がメッシだという意味なわけがない。
レベルも規模も違い過ぎる。
でも声をかけてくれた彼は将来ヤマルくらいになるかもしれない。
そして自分で書くのも恥ずかしいが、彼にとっては僕がメッシみたいな存在だったら嬉しいし、彼の目の輝きがこの世のものとは思えないほど美しかったことが答えなんじゃないかとも思う。
ジョインアライブの小さなステージでもワールドカップの決勝みたいなドラマがあったんだ。
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