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    [#53] 何とも言えない 『正月、君を心から愛している』

    KITSU

    2022/01/03 19:00

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    『正月、君を心から愛している』


    浮き足立つ。

    霜が降りて、吐く息は地元の地面に降り積もる。

    朝起きた瞬間に匂いで気付く。

    あぁ今日は正月なのだと。

    実家の一階は朝から騒がしい。

    誰もが気を許している。

    殺伐とした空気から解き放たれている。

    誰がダラダラしていようがいいのだ。

    今日は正月なのだから。


    明けましておめでとうございます。

    今年もKITSUをよろしくお願いします。

    去年よりも吃音の活動の輪を広げられたらと思っております。

    皆さまのご協力をお願いします。

    ま、でも今はまだ大好きな正月に浸りたいですね。


    テレビでは永遠に芸人さんが漫才をしている。

    関西の正月はこんなもんだ。

    いつから僕はお年玉をもらう側からあげる側になったのだろう。

    毎年おの瞬間だけが自分を大人だと感じる瞬間だ。

    昼から酒を飲んだって田中家のみんなは皆んな下戸だから誰も得をしない。

    「ばあちゃんは赤飯炊くのだけは上手いんや」

    なんて嫌味っぽく毎年言っていたじいちゃんはもういない。

    その赤飯を炊いてくれていたばあちゃんももういない。

    「この乾杯の挨拶も今年が最後になると思うが、乾杯!」

    ともうすぐ死にますアピールをしながらも、じいちゃんはこの乾杯の挨拶を何年も続けていた。


    皆んながゴロゴロしている。

    親戚一同でカードゲームが始まったり、腕相撲大会が始まったり。

    何の意味もないこんな時間を愛している。

    友達との約束、彼女との約束、それらが優先された時期もあった気もする。

    それもいいだろう。

    そんな時期を経て今がある。


    KITSUを発表したのが去年の今頃だった。

    正月の緩い気持ちのまま受け止めて欲しかったからだ。

    吃音症をそんなに固く受け止めないで、ラフに知ってもらいたかったからだ。

    コタツに入ってみかん食べながら「へ~吃音ってのがあるんやね~」ってな具合でいいのだ。


    毎年新幹線で往復し、甥っ子姪っ子そして友達の子供などにお年玉を配る。

    なんで正月からこんなに出費がかさむのだと思いながらも嫌な気持ちではない。

    テレビではだんだんと通常通りの番組が。

    あぁまた正月が終わってしまう。

    また一年頑張らないと皆んなに会わせる顔がないとスイッチを入れる。

    もういくつ寝るとお正月なのか。

    今から三百回以上寝ればまた愛おしい時間がやってくる。

    浮いていた足を地面に下ろし、東京の地面を踏みしめる。

    今年もよろしくお願いします。




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