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[#283] 何とも言えない『致死量の河内弁』
『致死量の河内弁』
先週のライブ。
対バンはチャックと金属バット。
会場は大阪のジャニス。
ホテルは心斎橋。
致死量の大阪弁を浴びた。
僕も大阪弁が抜けないとよく言われるがレベルが違った。
現役で大阪在住の人の大阪弁はまとわりつくものがある。
大阪弁というか、チャックと金属バットは河内弁だ。
LEGOも含めて全員、大阪の南河内と言われる地区の出身だ。
河内弁は大阪弁よりも下品でコテコテだ。
じいちゃんの世代はもっとすごかった。
今考えるとアウトな言葉をガンガン使う。
アウトというのは今でいう差別用語に当たる言葉だ。
しかし一応フォローしておくと彼らは差別意識のもとその言葉を使っているわけではない。
ただそれを表す言葉として、その言葉があの時代は普通だったのだ。
事実そんな世代に育てられた僕らはバンドで昔ラジオに出た時、ベースのシンタローは自分の個性である左利き(レフティ)のことを古い差別用語を用いて言ってしまった。
もちろんそれは自分のことを指す意味で使った言葉だ。
自分を差別するはずがない。
しかしその言葉自体がアウトということで後でしっかり注意を受けた。
「え、彼は自分のことをそう言っただけやのに?」
と心から思ったが、学びとして受け取った。
でもそんな環境で育ち、東京に住み、時代は令和になった。
アホのバンドマンだが、それなりに一般常識など備えてきたつもりだ。
しかし先日の大阪のイベントはどうだ。
打ち上げではここではかけない言葉や話がほとんど。
昭和にタイムスリップしたのか?
でもこれも誤解してほしくないのは、全員の信頼関係があって成り立つ時間だったということ。
そこに不快な人が一人でもいたらアウト。
僕は冷静に周りを見渡した。(体調不良のため酒を飲まずシラフだったので)
僕の目が間違っていなければそんな人は一人もいなかった。
たぶんそれはチャックの三人が愛されるべき人たちだからだと思う。
大阪で泊まり次の日東京に帰る。
ホテルから新大阪駅までタクシーに乗る。
やはり僕は大阪のタクシーが好きだ。
運転手さんの話が面白いからだ。
ギターを背負っていた僕に言う。
「今から東京でギター弾いて出稼ぎでっか?」
「違うんすよ。大阪出身やけど今は東京住んでて帰るんですわ」
「ほなお兄ちゃんは大阪に出稼ぎに来てたんやな!」
「まーそういうことになりますわな!」
「やっぱ大阪やとミュージシャン乗せるより、芸人さんを乗せることが多いからなー」
「そうなんすね。例えば誰乗せました?」
「あのー…あれあれ…あ、斎藤佑樹!ハンカチ王子の!」
「芸人ちゃうやんけ!!!」
こんな具合だ。
大阪弁という母国語が身体に染み渡っていく。
僕は別に普段から標準語になっていたわけではないが、これでもたまに標準語になっている時があるらしい。
新大阪駅は平日でもごった返し、タクシーから降りる場所を探すのも苦労する。
「お兄ちゃん、あの辺でかまへんか?」
かまへんか?とは大丈夫か?という意味です。
「うん、パッと降りるし大丈夫よ」
「すんませんなー。じゃあもうここでメーター止めとくさかいな!」
運転手さんはまだ駅に着いていないのにメーターを止めてくれた。
やはり大阪が好きだ。
会計を済ませ、領収書をもらい運転手のおっちゃんとはここでお別れ。
「お兄ちゃん!東京でも頑張りや!」
「おっちゃん、おおきに!!」
気づいたら”おおきに”と言ってしまってた。
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