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[#229] 何とも言えない 『速い曲は人生のようだ』
『速い曲は人生のようだ』
時の流れが早すぎるなんて誰もが感じていることやし、誰もが言語化してきたお話。
言葉にできないけど確かにある感情を言語化するのが僕の仕事だと思っているのでこんな当たり前のことは言いたくない。
でも敢えて言おう。
あのキンタさんが41歳て!時の流れ早すぎるやろ!
はい、気が済みました。
15歳から知ってるんでね。
たぶん去年のコラムにもこのような思いは書いたよね。
でも本当にそう思うんだ。
生まれてから死に向かうように出来ているこの人生という名のゲーム。(人生ゲームとはよく出来たネーミングだ)
歩いたり、走ったり、立ち止まったりしてここまで来た。
しかしここへ来て急に新幹線に飛び乗って時速300kmで進んでやしないか?
歳を取った人がよく言うやつだと笑われるかもしれない。
先日僕らのバンドのライブがありました。
これは去年僕がインフルエンザになってしまい出来なかった内容のリベンジ公演でした。(すみませんでした!!!!)
その内容というのが「激しい曲しかやりません」「速い曲しかやりません」「アッパーな曲しかやりません」というもの。
一応僕らはバラードにも名曲がたくさんありまして(自分で言うかね)、それはライブでは鉄板なのですがやりません。
バラード無し!
これが物凄いカロリー。
たぶん痩せる。
普段のワンマンライブくらいの曲数があったんですが(普段は時間にして2時間弱くらい)、今回は体感15分!(実際は1時間半くらい)
ジェットコースターのように過ぎていく。
逆に言うと”緩急”というものの大切さにも気づくが。
でもこの日は清々しい。
汗は滝のようで目に染みるが嫌ではない。
髪の毛が抜けるほどに頭を降り、僕はバンドマンだと自覚できる。
お客さんが振り落とされないようにしがみついてくれる。
信頼関係がないとできない。
自信を持って曲をぶん投げた。
良い意味での”あっけなさ”がそこにはあった。
良い意味での”あっけなさ”?
何かこれって。。。
あのコロナ禍が5年前だと言われるとあなたはどう思う?(もっと最近だった気になっている人正直に手を挙げてください)
3年前だと思っていた思い出が9年前の出来事だったみたいな経験ない?(正直に手を挙げてください)
ジェットコースターのように過ぎていく。
人生が。
噛み締めないと。
噛み締めようと意識しないと瞬きする瞬間に過ぎていく。
”あっけない人生だった”これはとても残念な言葉に感じるかもしれない。
でもさっき言った良い意味でのあっけなさ。
先日のライブで感じたものが人生とリンクした。
まさにライブ。
そこに清々しさがあるとするなら体感時間がとても短い充実した人生という事にもなるのではないか?
こう結論付けながら僕は終演後にギターの汗を拭いていた。
僕は今幸せで、でも困難や問題はある。
という平凡な人生を歩んでいる。
でもその中にある人生で1回か2回の特別な思い出よりも、いやそれも一緒に。
美味しくないパスタを作ってしまった昼下がり。
僕だけが泣いてしまいそうな夕焼け。
娘の愛おしいウンチの匂い。
リハーサルでメンバーと鳴らした懐かしい曲。
そんな一瞬一瞬を噛み締めた先に”あっけない”人生だったと思えるならそれはそれで幸せの形となる。
落ち着いた。
丸くなった。
これは褒め言葉でもあり、どこか寂しくも思う。
別に誰かにそんなことを言われたわけでもないけど先日の激しい曲だけのライブはそんなこと言わせないぜと演奏できた気がする。
でもやっぱりバラードの良さも再確認できた気もする。
バラードのような人生ではドラマチックすぎる。
激しく速い曲のようにパッと終えたい。
とかカッコつけて言ってみたけど、娘の成長を一日でも長く見ていたいのが本音。
BPMが速いからって曲自体の時間が短くないとダメとは決まってないもんね?
個人的な人生も、バンドマンとしての人生も。
ここまで来たら長くありたいものです。
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