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[#227] 何とも言えない 『love light』
『love light』
love
見えもしない。
触れ(さわれ)もしない。
数値化できない。
「アイラブユー」「愛してる」「愛だ恋だ」
いつもそんな不確かなものをミュージシャンは歌う。
後はご想像にお任せします。
都合の良い話だ。
答えのないもの、曖昧なもの、確かめることができないもの。
そこを書くのはズルいんじゃないかな?
とさえ偏差値も想像力も足りない僕は偉そうに思っていた。
恋愛依存症みたいな人を見ていると滑稽に思えてくる。
それと同時にもう恋愛というものを無垢な気持ちで捉えられない自分にも苛立つ。
歳は二十四歳。
その間の気持ちを上手く言語化できたなら僕の中ではそれは確信的なものになるはずだ。
バラードでもアップテンポでもなく、その僕の想いを乗せなよとこの曲は大きな背中を僕に見せてくれたのであった。
「よくあるアルバムの中の隠れ名曲」
「シングルでもなく、わかりやすいバラードでもなく、そんな感じにしたいんねんなぁ」
キンタさんが言っていることはいつも言葉が足りなかったり、抽象的なんだけど、なぜか伝わるものがあった。
そんなことは多い。
抽象的だからこそ僕が作詞をする余白も生まれる。
しかもその掴み所の無さが今回のテーマの愛という世の中で一番抽象的なものを描こうとする僕の勢いを加速させた。
あ、これ絶対良い曲になる。
僕はまだ一行も書けていないのに思ったし、それが当たることもあった。
外れることは多い。
桜井さんが「tomorrow never knows」を書いたのは二十四歳だってさ。
藤巻さんが「3月9日」を書いたのは二十四歳だってさ。
だから何だと思いながら、うちの事務所の先輩にはモンスター級のソングライターがいることは事実。
僕らLEGOも二十四歳。
比べることではないが意識はした。
彼らはどんな想いで今の僕と同じ歳の時にあんなに大きな「愛」を書いたんだろうか。
僕は精神年齢が十八歳から成長していないと三十三歳の時にゲッターズ飯田さんに言われたことがある。
何だ、僕が若すぎてわからないだけか。
なんて現実逃避はこの曲を前に許されない。
「愛」か。。。
果てしない闇の向こうにウォーホー?
瞳を閉じればあなたが瞼の裏にいること?
僕にとっての「愛」って何だ?
「私のことどのくらい好き?」
別にこんなこと女性から聞かれた記憶もないし、聞かれた経験があっても特に覚えてないってことは僕は適当に流していたのか。
でもよく巷に溢れる男女の会話だとは思う。
これに上手く答えられる男子はきっとモテるんだろう。
松ちゃんに「IPPON!」と言われるような粋な返事をしたいものだ。
まず単位は何だろうか?
kg?
ℓ?
km?
ヘクタール?
個?
メガバイト?
こんなことを考えてるからモテないのだ。
あーめんどくさい。
愛というものが見えたらいいな、触れたらいいな。
そうすれば楽だし、女性が不安になってさっきのような質問をすることはないだろう。
それらは世界中に溢れている愛というものだ。
恐らく質量は凄いことになる。
見えていたのなら地球からはみ出すだろう。
でも本当は見えなくて良かったなと思うのも事実。
何でもかんでも知らない方がいいこともあるのだ。
あの人が僕についた嘘も恐らくそうなんだろう。
大昔から今も、こんなにラブソングが世の中に溢れる中またこれからの未来にも多くのラブソングが生まれるだろう。
僕も生むだろう。
それはつまり誰もその答えを見出せていないのかもしれない。
メンバーに尋ねてみた。
「ふわふわと曖昧でぼんやりしたものをそのまま描いてもいいかい?」
「明確に見えそうやったり、ふっと消えたりするものをそのまま描いてもいいかい?」
言いながら、何だかライトの光みたいやなと思った。
さっき「私のことどのくらい好き?」
というクソめんどくさい質問に対する正しい答えがわからないと言った。
今でもわからない。
だって表し方がないし、物理的に表すものがない。
でも何となく僕はこう答えたい思う。
「君には僕が見えるだろ?それが答えになると思ってるよ」
『love light』
ちぎれるような切ない気持ちも
とろけるように包まれた気持ちも
まだ愛とは若すぎてわからない
そして君が僕に嘘をついた それも愛?
側にいるだけでいいよ そんな願いすらも叶わないかな?
君にもし触れられるならこの世界はあってないようなものだけど
手が届く そう思っていてもいつも光ったりいつも消えたり
人はみんなアリフレタアイを歌う
それを歌えば僕にもわかるかな? それがなにか
見えなくてどんな形もない 捕まえておくよ 見失いそうだ
例えば、それを見せてと君が言うと困ってしまうような僕だけど
君には僕が見えるだろ? それが答えになると思ってるよ
ちぎれるような切ない気持ちも
とろけるように包まれた気持ちも それは愛
愛がもし触れられるならこの世界は確かなる愛で満ちているから
地球からはみ出してしまう だから光ったりそして消えたり
だから消えたりそして光ったり
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