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[#224] 何とも言えない 『二週連続でバンドが主催のフェスに出ましてん』
『二週連続でバンドが主催のフェスに出ましてん』
先に言っておくと、たぶん僕らがフェスを主催することは絶対にないと思う。
あんな大変なことはできない。
できる器がない。
そりゃお金をかけてたくさんのスタッフに任せたらフェス自体はできるかもしれないが、それは彼らのフェスとは比べ物にならないペラペラなものになるでしょう。
会場に入るだけでそれぞれ主催のバンドの色がある、香りがする。
もちろんロックフェスなんだから、そのフェスだからこその音がする。
TOYOTAのハイエースが並ぶ駐車場。
道中窓の外を見る。
山々が美しい。
ただの通行人か会場に向かう人か、服装などでわかる。
自分のバンドのグッズを身に付けている人がいると抱きしめたくなる。
どちらの会場も都心ではないからこそ程よく田舎で安心する。
出演者とお客さんとスタッフの距離が近い。(物理的にも精神的にも)
ご飯のいい匂いがする。
会場からも楽屋からも笑い声が聞こえる。
出演者もお客さんも笑顔が多い。
確固たる思いがある。
長年継続している実績から来る自信がある。
彼らの血が通っている。
ドクドクと流れる。
赤い赤い血が。
空は広く青い。
楽屋に置き手紙が置いてある。
主催のバンドから僕らへの思いが綴られている。(中身は内緒だよー)
僕らもそのフェスでしかできないライブを用意する。
ご迷惑じゃなければコラボでもしますか?と提案したりしてみる。
向こうも器が違うからサラッと「是非!」なんてスピード感でコラボが決まる。
音楽は自由だ。
言葉ではよく聞く。
自由で国境を越えるんでしょ?
でもこうやって音楽が自由ってことを行動で示されたら平伏すしかない。
温かい。
バンドが主催のフェスのお客さんは温かい。
別にぬるま湯に浸かり、甘やかされたいわけではない。
退屈なライブをしたらブーイングをしてくれたらいい。
でも主催のバンドが僕らを呼んでくれたストーリーや理由や意義や思惑をなるべく理解しようとした上で楽しんでくれている人が多いからかもしれない。
だって主催バンドがかっこいいと思うから呼んでくれているわけで。(大切な一枠を使ってまで呼んでくれてるんだからかっこいいと思ってくれているに違いないと思おう)
そこへの信頼は元からあるはずだから。
僕らも僕らでその辺は理解しているつもりだから特別なパワーを纏う、(大切な一枠を使ってまで呼んでくれてるんだからその期待に全力で応えたい)
するとどうだろう。
あら不思議、僕らもお客さんも主催バンドへの想いが溢れて温かいものになるのだ。
悲しい歌も、激しい歌も、温かいのだ。
たぶん僕らがフェスを主催することはないと思うとか言っておきながら羨ましさはある。
一回くらいならできるかもしれないが継続は無理だと今書きながら改めて思う。
たぶん僕ら三人とも向いていない。
フェスをやるには”マメさ”が必要なように思う。
僕らは誰もマメではない。
いや一応言うと三人の中では僕が一番マメだと言わせてもらいたい。
でも僕だけがマメなことに嫌気が差して、僕もマメじゃなくなる。
というそんな未来が想像ついてしまうのだ。
よってLEGOはたぶんフェスをやりません。(絶対がたぶんに変わった)
シネマスタッフとラッコタワー。
後輩と先輩。
もはやお互いこのキャリアを耐え抜いてきたバンドとしては先輩も後輩もない。
ただただリスペクト。
そして単純にバンドとしてカッコよくて強い。
それに尽きる。
いくらマメでフェスを主催しようが、そのバンドがかっこいいことが最低条件なのだ。
どちらのバンドともありがとう。
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