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    [#219] 何とも言えない 『腰に何か入ってますよ』

    KITSU

    2025/03/17 19:00

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    『腰に何か入っていますよ』

     

    これから病院に行くことも増えるのだろうか。

    若さでカバーできる年齢ではない。

    これを読んでいる僕よりも年上の人は共感してくれたら良いし、年下の人は自分の未来を少し憂いなさい。

    さぁ今日は整形外科だ。

     

    絶対にその辺の同い年の人よりも健康だ。

    そんな何の根拠もない自信だけでここまで来た。

    根拠があるとするなら。

    毎日納豆食べているし、運動も結構する。

    この二本柱だけで僕の根拠は成り立っている。

    柱はグラグラ。

    わかっているがすがりついている。

    納豆自身もそんなに万能じゃないよと困っているに違いない。

     

    実は腰がちょっと痛いのだ。

    このちょっとってのが嫌なのだ。

    何をしていても僕に意識させる。

    目にゴミが入っているみたいな、歯が地味に痛いみたいな、低気圧の日みたいな。

    居心地の悪さ。

    でもきっかけはわかっている。

    ライブ中や、ボクシング中や、ゴルフ中ならわかる。

    ある程度激しい動きをしている自覚はある。

    でもそうじゃない。

    商売道具の、僕の相棒のギターを背負った時に「ピキッ」と痛めたのだ。

    今まで数えきれないほどギターを背負ってきた。

    特別重くもない。

    特別変な体勢だったわけでもない。

    このきっかけが情けなすぎる。

    その理由が腰の痛みより辛いのだ。

     

    「ぎっくり腰ってやつですよ!!ま、完全なやつじゃなく予備軍的な!!ははは!!」

    そんな気はしていたが、こうもあっけらかんと言われると悔しい。

    しかも先生は全力の笑顔だ。

    「でもこれ若いとか年寄りとか関係ないんで仕方ないですね~!!」

    こんなことも言われた。

    僕の表情を見て少し慰めようとしてくれているのかもしれない。

    あ!そうだ!みたいな表情でこうも言った。

    「田中さんのレントゲン写真なんですけど、ぎっくり腰とは別で腰のあたりになんか針金のようなバネのようなものが写っているんですけど。。。これなんですか??」

    いやいやいやいや、僕が聞きたいくらいだ。

    「え?僕の体に何か入っているんですか?」

    こう聞き返すのが精一杯だった。

     

    「昔、手術でもしました?」

    そう聞かれると、あの交通事故しか思い浮かばない。

    でもあんな部位を手術したかな。。。

    色んな箇所がズタボロの体だったのではっきり覚えていない。

    「一応、昔交通事故で手術はしましたけど」

    「じゃあその時の何かですかね!」

    そうじゃないと怖いんですけどね。

    と心で思いながら今は腰の痛みと戦っていた。

    診察室の椅子の座り心地は悪い。

     

    「奥さんにGPSでも埋め込まれましたか!?ははは!!!」

    ここの先生は陽気だ。

    地元で人気なのもわかる。

    「その可能性はありますねー。怖いっすねー」

    ってな具合にその話に乗ってあげられるくらいの余裕は持ち合わせている。

    「腰痛いのもそれが原因じゃないでしょうねー!?」

    ブラックジョークをかましてきた。

    「いやいやいやいや」

    これには乗るわけにはいかない。

    とにかく楽しい先生だ。

    「UFOに乗せられて宇宙人にチップでも埋め込まれましたか!?」

    まだ言っている。

     

    結果的にそれが何かわからないままだ。

    GPS?チップ?

     

     

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