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[#24] 何とも言えない 『少し遅れます』
『少し遅れます』
待ち合わせは夜の七時。
僕は駅に六時五十分に着く。
駅から待ち合わせ場所までは一分くらいで着く。
僕は早めに着いておかないと気が済まない。
なのでそこで待ち合わせ相手が来るまでの残り九分を携帯でも見ながら待っている。
待ち合わせが夜の七時。
なのに駅に七時ちょうどに着く電車に乗ってくる人がいる。
待ち合わせ場所がその駅のホームならそれでいい。
しかし駅から待ち合わせ場所まで歩く時間を全く計算に入れていないそのタイムテーブルは破綻している。
「少し遅れます」
この言葉が怖い。
なぜなら人によって「少し」が違うからだ。
皆さんは少しって何分くらいを思い浮かべますか?
僕は五分以内だと思っています。
異論は認めます。
でも僕的には五分以内なのだ。
なので僕は「少し遅れます」と言われるとその場で待つ。
そして待ち時間が五分を過ぎると切なくなる。
それなら「十分遅れます」と言ってくれ。
十分もあればコンビニでコーヒーでも買えただろう。
十分もあれば本屋に入り立ち読みでも出来ただろう。
十分もあれば帰り道済ませようとしていた百円均一での買い物を先に出来ただろう。
人の十分をなんだと思っているのだ。
もっと言わせてもらおう。
遅れることを直前に言うてくるな。
なんとなく遅れそうならもっと先に言うておいてくれ。
僕は猫を飼っている。
その十分があれば猫ともっと遊べたはず。
この後お留守番をするのだから、それまでいっぱい遊んであげたい。
しかし遅れることが嫌なので心を鬼にして猫にサヨナラして家を出たのだ。
待たされている間、猫を想う。
父ちゃんはお前との時間を犠牲にした愚か者だと。
でも。
父ちゃんはなんやかんや言いながら待ち合わせ相手と会うのを楽しみにしていました。
なので。
家に帰るの少し遅くなります。
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