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[#213] 何とも言えない 『ペットの毛問題』
『ペットの毛問題』
ペットを飼っている人はどれくらいおられますか?
抜け毛の少ないペットもいるでしょう。
大阪で買っていたワカメも今の猫たちも比較的抜け毛は少ない方なんだと思う。
でも生きている限りそりゃ抜ける。
クローゼットから真っ黒の服が消えていく。
犬も猫も飼ったことがある僕としてはそうせざるを得ない。
黒でも素材によって毛がつきにくいものもある。
洋服屋さんでそのジャッジもできるようになった。
粘着テープのコロコロは家に何個あるのか。
たぶん僕の記憶では四つはある。
物置にもまだあった気がするので四つ以上か。
でもあのコロコロってのはなかなかめんどくさい。
しかも素材によっては全然取れない。
偉そうに言うてますが。
掃除機のダストボックスには猫の毛と同じくらい僕のロン毛が大量に入っている。
奥さんよりも長い髪なので言い訳はできない。
僕も抜け毛がすごい。
元々の毛量がすごい。
どれだけ抜けてもハゲる気配はないほどに。
しかも金髪。
猫に文句が言えないほど僕の毛も服に付くと目立つのだ。
ワカメが亡くなった時のことを思い出すと今でもただただしんどい。
実家に帰っても何か足りない感が拭えない。
仏壇には爺ちゃんと婆ちゃんとワカメ。
いつも大阪のライブに向かう前はその三人に手を合わせる。
ワカメがいた頃はその後にコロコロをして家を出ていた。
ワカメの毛もなかなか服に付くのだ。
今からライブだというのに。
でもワカメを触らずに家を出れないもんだからコロコロくらいする。
今ではそのコロコロをする必要がないことが寂しくもある。
だとしてもあのコロコロをして毛を取り除く作業は本当に本当に面倒だった。
今では品種改良で毛が抜けない犬もいるらしい。
喘息持ちのお子さんにとってはいいですよね。
僕は近所で生まれたワカメや保護猫を飼っている。
どっちだって可愛いんだから何だっていい。
でも人間都合の品種改良は減っていったらいいなぁと思う。
面倒なコロコロくらい人間側がやればいい。
大阪でワカメが亡くなった時、僕は東京の曙橋に居た。
行ったこともない場所だったし、あれ以来行くこともない場所。
そこで僕はワカメのことを電話で聞き、一人道にしゃがみ込んでしまった。
していたつもりの覚悟は一瞬で崩れた。
火葬の日時を教えてもらったが仕事もあり大阪には帰れない。
なのでオカンにお願いをした。
「遺骨と一緒にワカメの毛を少しだけ切って置いといて」
なんて都合のいい話だ。
生前はその毛を忌嫌いコロコロで除去していたのに。
亡くなった途端にその毛を欲しがるなんて。
自分でも嫌になるくらい都合のいい話だ。
大阪で帰った時にステンレスカプセルにワカメの小さな骨と毛を入れ持って帰り東京の家に保管してある。
KITSUでは黒い洋服もこれから作っていく。
今は猫がいるがそのコロコロの時間も愛しくなるような、面倒じゃなくなるような素敵な服を作りたいものだ。
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