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[#212] 何とも言えない 『コットンクラブから帰ってきた瞬間に書いています』
『コットンクラブから帰ってきた瞬間に書いています』
あそこに立てることがまず光栄。
そこでめちゃくちゃ音楽した。
ロックバンドってのはいい加減なもので大きい音で誤魔化して「ロックだぜ」って言ってりゃいいところも正直ある。
その美学はとてもよくわかる。
でもコットンクラブではその美学は役に立たない。
指どころか指紋で弦を擦る音まで届きそうな空間。
ミスがそのまま伝わってしまう緊張感。
でも友達の家でギター弾いてよって言われた時のような距離感。
今爆音を鳴らすツアー中だからこその音楽ができた。
楽屋でスーツに着替える。
スーツを着るなんて最近では年に一回あるかないかの冠婚葬祭か、このライブだ。
練習のおかげで左手の指先は痛い。
アコースティックギターはエレキギターより弦を抑えるのは痛いのだ。
全員スーツに着替え終わると再認識する。
LEGOは全員背が高くてスーツ似合うなと。
吉田さんももちろん似合う。
特別なステージが始まる。
キンタの声に合うと思ってたんですよね。
いつかカヴァーしたかったBUMP OF CHICKEN。
今回は「スノースマイル」
BUMP OF CHICKENの声とキンタの声には親和性がある。
勝手にそう思っていたけど大正解。
そして大名曲の「スノースマイル」はギタリスト的にも楽しく難しい。
雪が降るほど寒くはないけど冬のコットンクラブに響いて僕の心を打った。
最後のサビだけ回るミラーボールが素敵で演奏しながら見とれていた。
コットンクラブのスタッフさんは全員良い人。
仕事をしながら僕らの音楽に体を揺らしてくれたり、良い顔をしてくれていたりする。
このライブを続けられるバンドでいたいと今年も思った。
曲数はいつものワンマンよりは少ない。
二部構成だからだ。
でも毎回得られるこの満足感は何だろうか。
それは良い緊張感とその日だけのアレンジと、僕らも来てくれた人もこの日を楽しみにしていたからだ。
と思っている。
でもそれ以外に僕の知り得ないところに要因があるのかもしれない。
痛い指先も愛おしい。
丸一日コットンクラブにいたから外の気温がわからない。
全ておわり外に出た。
目の前には東京駅。
大阪の田舎者がコットンクラブでオシャレなライブして、達成感に浸りながら東京駅を眺める。
気温はそこまで低くないが風が冷たい。
みんなとバイバイして僕はヘッドフォンを耳に当てる。
「スノースマイル」と「Ray」を聴いて帰った。
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