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    [#208] 何とも言えない 『なめたらあかん~さよなら2024~』

    KITSU

    2024/12/30 19:00

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    『なめたらあかん~さよなら2024~』

     

    今年最後のコラムなんでね。

    毎週コラム書けたし、新作のアイテムを定期的に出せたし、POP UPも大盛況でしたし、それら全てのおかげで寄付もできたし。

    今年もお気に入りのコラムが書けたし、お気に入りのアイテムも作れた。

    皆さんにとってのお気に入りはどれでしたか?

     

    的な。

    みたいな。

    今年の総括的なコラムを書きたいところだ。

    本来なら。

    それが自分にとっての大アクシデントがこの年の瀬に起こったもんだから書かずにはいられない。

    しかもたくさんの人に迷惑をかけた。

    インフルエンザに罹ったのだ。

    マジで勘弁してくれ。

    文字通り寝込んだ。

     

    ベンザブロックのCM的に言わせてもらうなら「私は喉から」なのだ。

    それはいつだってそう。

    風邪のひき始めは喉が痛くなる。

    そして鼻水が出てくれば治りかけのサイン。

    この身体に四十年も住まわせてもらっているのだからそのくらい自分でわかる。

    少し喉が痛いし、咳が出る。

    「ライブ前やし安静にしとこ」

    その日の予定を早めに切り上げて僕は家に帰った。

     

    加湿して、暖かくして、ソファでダラダラして。

    そこから明日の最終リハの練習でもしよう。

    そう思って帰宅したのだが、気づけばソファにいることも辛くなってきて寝室に移動した。

    起きたら夕暮れ。

    汗でびしょびしょの服。

    全ての関節が痛い。

    「あ、これはただの風邪の可能性が低いかも」

    そう心で思ったがインフルエンザという単語は使わないようにしていた。

    それだけは避けたかったし、その単語を使うと本当にそれになってしまいそうな気がしたから。

    「病院行ってみよかな」

    僕が病院に行こうと思うくらいの不調の時点でそれはただの風邪ではない。

    普段ただの風邪では行かない。

    つまりかなりしんどいかったのだ。

     

    フラフラの足元で病院に辿り着くも待ち時間は一時間以上だと言われる。

    受付の人が冷徹に感じた。

    仕方ないとベンチに座ろうとするも発熱の人は別室で待つ規則でその別室が満室だと告げられる。

    つまり一度帰宅するか、外で時間を潰せと。

    受付の人が悪魔に見えた。

    フラフラの足元で自宅に帰る。

    その待ち時間すらもベッドで気を失っていた。

     

    インフルエンザと言われた時の脳内は病人にしてはフル稼働していたことだろう。

    数日後のライブのことや、家にいる生後三ヶ月の娘のことなど。

    もうこれらはメンバー、スタッフ、家族、お客さんに感謝しかない結論になる。

    僕以外の全員が頑張ってくれたのだ。

    心からのありがとうと、心からの申し訳なさ。

     

    テレビやSNSではこないだまで僕がそうであったかのようにノーマスクでライブや忘年会などが行われている。

    今僕自身が病原菌であるため、その映像などが違う世界のもののように感じる。

    もちろん気をつけながら楽しめばいい。

    でも赤ちゃんが産まれて人生で一番気をつけていた僕がインフルエンザになった。

    そしてピーク時はめちゃくちゃしんどかった。

    それらを踏まえて言っておきます。

    なめたらあかん。

    天童よしみさんの大阪府八尾市にあるなめたらあかん御殿を拝みに行きたい。

    (僕が産まれた八尾市民病院という病院から近いんです。あの辺ではあの御殿は有名でして。)

    皆さんもくれぐれも体調管理にはお気をつけて。

    何回も言う。

    なめたらあかん。

     

    KITSUの話でいうとPOP UPで受け付けたステンシルシールの作業や通販の発送作業がある。

    出遅れた分、全力で年末やりまっせ。

    待ってて。

    僕のこともなめたらあかんよ。

     

    当たり前にできていたライブ。

    当たり前に抱っこできていた娘。

    世の中にあることを当たり前にしたい吃音への行動。

    それを当たり前だと思っちゃいけないし、その行動に反応してくれているあなたの存在を当たり前だと思っちゃいけない。

    年を跨ぐと四年目に突入するKITSU。

    身体が元気なのも、KITSUを応援してもらえるのも当たり前じゃない。

    そんな当たり前を噛み締めながら、吃音を当たり前にしていく活動は来年も続きます。

    コラムも、洋服も楽しんでくれてありがとう。

    今年もお世話になりました。

    良いお年を。

     

     

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