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[#183] 何とも言えない 『バンドのフォント』
『バンドのフォント』
音楽に国境はない。
そんなこと言ったって英語の曲は何を歌っているのかわからない。
作詞家としては理解しながら曲を聴きたいところだ。
でもそんなことは関係なく洋楽を楽しんでる自分もいる。
だから確かに音楽に国境はないと言えるのかもしれない。
少し前に久しぶりに「忘れらんねえよ」というバンドのサポートギターでフェスに参加した。
彼らと一緒に音を鳴らすのは久しぶりで、ただのギター小僧に戻れる時間なので楽しい。
自分のバンドでは良くも悪くももっと色んなものを背負っているからだ。
何も考えずにステージで暴れるのは最高だ。(忘れらんねえよに失礼)
今回のフェスは僕はLEGOBIGMORLとしても忘れらんねえよのサポートとしても初めてお邪魔するフェス。
アプリの天気予報は夏でもないのに猛暑とある。
これは灼熱のステージになる。
忘れらんねえよのステージはものすごい速さで駆け抜けることが多い。
フェスのような持ち時間の場合は尚更だ。
パンツまでびしょびしょになるやつだ。
スーツケースにいつもより多めのTシャツとパンツを入れた。
十八年バンドをやっていても全く交流のないバンドは山ほどいる。
音楽に国境はないと言いながらもジャンルが違いすぎると接点がないものだ。
というか接点があったバンドが辞めていったという言い方もできる。
これからもっと減っていくのか、仲良くなるバンドが増えていくのか、はたまた僕らが辞めてしまうのか。
どの可能性だってある。
それは毎年心から思っている。
「いつまでもバンドをやれると思うな」
自分にこう言い聞かせている。
フェスの裏には豪華なケータリング。
豪華なご飯や、お酒や、遊具。
お腹も空いた。
喉も渇いた。
それら全てテイクフリーなのだ。
結果から先に話そう。
僕が、僕らがそのケータリングで口に入れたものは水とビール一本ずつのみ。
豪華な料理、浴びるほどの酒、友達のバンドマンがいたら写真撮ってSNSにあげちゃったりして。
そんな出演者なら誰もが行う行為が全くできなかった。
これは絶対に言っておかねばならない。
もちろんそこにいたバンドマンたちは何一つ悪くない。
僕がビビっていただけ。(たぶん半分以上が年下だったと思うが)
出番の前後に仲の良い人同士で食事をしたり、酒を飲んでいただけ。
ただただ僕が普段接するバンドがいなさすぎたのだ。
ハードな音楽をやるバンドマンが多かった。
タトゥーの人が多かった。
マッチョな人が多かった。
ビリビリに破れた服を着ている人が多かった。
何ならそれらのカルチャーが僕は好きだしそういう友達も多いと思う。
でもそれらのホームにお邪魔するとアウェー感がやばい。
もっと言うと今回は自身のバンドLEGOBIGMORLではなく、サポートギターで参加している忘れらんねえよというバンド。
これがまた陰キャという言葉を人の形にすると忘れらんねえよになる。
というくらい卑屈な性分を持ったバンド(人)なので僕もカメレオンのようにそういう性格となった。
痛いくらい晴れた空の下、僕らは出番まで車で過ごした。
今年初めてのフェス。
日焼けしようがない。
車内でこのフェスのHPを熟読する。
個人的にも仲良いバンドはいないものか。
もちろん面識のあるバンドは少なからずいる。
でもそんなことより気づいたことがある。
全員ではないが、それぞれバンド名のフォントが「きちんと」おどろおどろしいのだ。
可愛いフォントやスタイリッシュなフォントではなく、怖いフォントなのだ。
これはもはやカルチャーだ。
世界を見渡せばMETALLICA、KORN、SLIPKNOTなどなど。
少し怖いフォントのバンドがたくさんいる。
そこのは文化や意味やストーリーや背景、色んな想いがあるだろうがやはり名は体を表す。
そう思ってLEGOBIGMORLのフォントを思い浮かべる。
シュッとしてる気がする。
忘れらんねえよのフォントを見てみる。
何とも言えない。
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