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[#178] 何とも言えない 『音楽(B’z)とはタイムマシン』
『音楽(B’z)とはタイムマシン』
香りがする。
あの頃の香り。
鼻にくるというより、脳の裏。
後頭部にジンワリと、時にはツンと。
もうあそこにはあのスーパーやあの店やあの道はない。
あの頃の年齢のオカンも自分も居ない。
でもその音楽を聴くと一瞬でタイムスリップする。
効果も一瞬。
すぐに意識は今の自分には戻る。
でも確実にジンワリとツンときたその瞬間はあの頃に戻っている。
その音楽は僕にとってはやはりB’zなのだ。
オカンに近所のデパートで人生で初めて買ってもらったCD。
予約シートに記入する。
予約をすると何やら特典がもらえるらしい。
初めて買ったアルバム。
当日は透明の袋をきれいに剥がしてボミ箱へ。
それに貼っていたシールも丁寧に剥がして筆箱に貼る。
実物は全部が金色で指紋をつけないように角を掌で持った。
一曲目の「LOVE PHANTOM」のイントロからして今まで聴いてきたJ-POPとは肌触りが違った。
全部英語の歌詞なんて見たこともなかった。(丸暗記した)
歪んだ音のギター。
何だかこの一枚は僕を知らない世界に連れて行ってくれる。
幼心にもそう思えた。
絶対に公式グッズじゃない。
でもそんなことはわからずたくさん集めた。
僕の部屋にドアにはB’zの暖簾が下げられていた。
今思うとB’zが公式に暖簾など発売するわけもないと思う。
「B’z物語」という本を何度も読む。
彼らの生い立ちから現在を書かれた本だ。
僕の中学は何故か卒業アルバムの表紙を自分で美術の時間に絵を描くという謎のシステムだった。
その絵もB’zのイラストを描いた。
香りがする。
あの頃の香り。
鼻にくるというより、脳の裏。
後頭部にジンワリと、時にはツンと。
B’zを聴くとこれまでに書いた全てが蘇る。
これをノスタルジーと呼ぶのだろうし、僕の音楽の原風景とも呼ぶのだろう。
音楽とはタイムマシンなのだ。
再生ボタンを押す。
そしたらあの頃の僕に会える。
あの頃の故郷に立てる。
「LEGOを学生の時から聴いてました!」
たまに言ってもらえる言葉だ。
とても嬉しい。
B’zと自分たちを比べてるわけでもないし、そんな恐れ多いことはするわけないのですが。
一応僕にとってのB’zが、その言葉をくれた人にとってのLEGOになっている。
そう思うとさすがに胸が熱くなる。
そして輝くウルトラソウルなのだ。
そして今回のコラムは178回目の更新。
178(イナバ)なのでこの想いをコラムに。
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