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[#162] 何とも言えない 『また行かなければいけない理由』
『また行かなければいけない理由』
初めてこんなことをしてみた。
吃音の方々がライブに来てくれたのだ。
場所は雪に覆われた北海道は札幌。
僕の一つの夢みたいなものが現実となった。
社会人経験のない、一般教養のない僕としてはこういう行為が一番緊張する。
それはメールのやりとり。
電話は吃音があるから苦手やし、メールは礼儀作法がわからないアホなので苦手やし。
なんて生きにくいのだ。
バカ丸出しの文面だったとは思うが意を決してメールしたのだ。
街頭やネオンが降る雪に反射して、あたりがふんわりと明るくなる。
なのでススキノの街は雪景色だけど暖色だ。
僕はそういう印象がある。
信じられないくらい吐く息は白く、東京の息は最近白くない気がすると東京を思った。
大阪出身の僕でも今は東京を思うほどになった。
毎回北海道は僕を洗濯してくれる。
雪ほど白くはなれないが少しは綺麗になって帰りたい。
北海道言友会。
去年寄付させてもらった関東言友会の北海道バージョン。
顔も知らない人とのメールのやりとり。
基本的にLEGOの活動とKITSUの活動は分けて考えている。
僕のKITSUにおけるルールは「LEGOに迷惑をかけない」だ。
しかしそこにはグラデーションがある。
人生の半分ほどをLEGOとして生き、人生を吃音と歩んでいる僕にとって重なる部分は出る。
おこがましいことを言わせてもらうが。
吃音を持ちながらライブではMCをやっている僕を吃音で悩む人に観てもらいたい。
そう思うようになった。
昔はコンプレックスだったものを観てもらいたいなんてKITSUを応援してくれる人のおかげだ。
もちろんLEGOを応援してくれる人のおかげでもある。
ライブ後ご挨拶をさせてもらった。
お世辞じゃなければライブを大絶賛してもらえた。
ライブが良い悪いは置いといて、その時間を楽しんでもらえたなら心から嬉しかった。
もちろんその感想を伝えてくれている際も吃ったりしてゆっくり話してくれた。
愛おしい時間だった。
差し入れにと北海道産のワインをいただいてしまった。
もう充分すぎるほど僕は色んな感情を貰っているというのに。
「北海道言友会さんにも寄付したく思ってるんです」
僕がそういうと言友会の皆さんが言ってくれた。
「じゃあまたライブに来てほしいのでその時に!」
寄付がなくても北海道にライブに来たいが、もう一つまた行かなければいけない理由ができた。
LEGOとKITSUは分けて考えているが、全ては繋がっているのだ。
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