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[#156] 何とも言えない 『KITSUから新年の挨拶』
『KITSUから新年の挨拶』
毎週月曜日に更新しているこのコラム。
今年はなんと一月一日のお正月が月曜日。
幸か不幸か。
こんなコラムを正月に読んでくれている人はいるのだろうか。
でもだからこそ更新したくなる。
帰省などで忙しい人も、正月こそ働いている人も、旅行中の人もいるだろう。
しかしちゃんと暇している人もいると信じたい。
というか忙しかろうがコラムくらい読めるやろ。
俺は書く。
そんな僕も大阪の実家でゴロゴロしている。
おせちってのは特別嬉しいものではない。
ラーメンが食いたい。
でも親戚が集まっておせちを食べるという景色は好きだ。
愛犬のワカメがいなくなった代わりに甥っ子、姪っ子たちの背は伸びていく。
僕があげなければならないお年玉の金額も伸びていく。
こっちは往復新幹線という高級な乗り物で行き来しているというのにお年玉までカツアゲされ、何しに帰っているんだという気にもなるが財布を開いてしまうのは歴とした正月の親戚のおじさんだ。
吃音を知ってほしいと始めたKITSU。
コラムも長く書いている。
洋服もたくさん作った。
僕はKITSUを通じて何か社会にプラスになることができているだろうか。
そう思い込みたいだけなんじゃないだろうか。
色んな思い出や経験が新幹線の窓から右から左に流れる。
さて皆さんは何日から仕事始めですか?
今はそんなこと考えたくないかもしれませんね。
すみません。
僕らバンドマンの皆さんから見える仕事はライブやプロモーションなどですかね。
でも実はリハーサルや家での練習や制作など。
見えない仕事の方が多いし、それら全て遊んでいるように見えるかもしれません。
幸せなことだと改めて認識しています。
僕らの仕事始めはきちんと遊びながら楽しみながら、去年発表したツアーの準備です。
心からお待ちしております。
KITSUを続ける上での想い。
それはポジティブなものばかりではない。
先ほど言ったように社会に対してプラスどころかマイナスなことをしていないか。
そんなことを思った時に新幹線は静岡を通過している。
さっきまでの右から左に流れる景色と一変。
びくともしない富士山が現れた。
僕の少しくすんだ黒目が憧れの眼差しへと変わったことがわかった。
憧れたのは日本一という称号ではない。
びくともしないその堂々たる姿にだ。
バンドマンとして、KITSUとして、男として、人として。
目指したところですぐにはなれるような存在ではないが、あの姿は正月から食らうものがある。
食らうってのは何となくわかってもらえるだろうか。
背筋が伸びたでもない、ケツを蹴り上げられるでもない。
正月から何とも言えない感情を抱えながら、今年一年かけてその答えを探していく。
今年も宜しくお願いします。
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