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[#146] 何とも言えない 『十月に鳴った音』
『十月に鳴った音』
こんなの売れてしまう。
もしかして俺らのバンドめちゃくちゃカッコいいんじゃないか?
誰もが自分の子供が世界一可愛いと思うのと同じように、LEGOBIGMORLが世界一カッコいいんじゃないかと真顔で思ってしまうような若くて痛い時代があった。
夢描いていた。
歌を書いていた。
でも力欠いていた。
汗をかいていた頃に抱いていた花はまだ咲いていた。
音楽でよくある話ですが。
初めは音を純粋に楽しむ「音楽」
だんだん奥の深さを理解して学んでいく「音学」
そして好きなことをやっているはずなのに思うようにいかず苦しむ「音が苦」
それらを経て、背負いまた楽しむことができる「音楽」
まだ学んだり、また苦しんだりするのだろうが。
僕は今、この数年、音楽を「楽しめている」
これは誇れることだ。
どうしようもない日々の中忘れていく。
あの日誓った想いはタイムカプセルのようだ。
でも今ではカプセルを埋めた場所さえも忘れてしまった。
情熱なんてもう正に情けない火。
よく見ると情けない熱と書いて「情熱」なんだな。
もっと熱い炎みたいなものを想像してしまいそうだが、今にも消えそうだけど消えない情けないほどぐらつきながらも消えない火。
そこに人間らしさを感じて愛おしくなる。
ねえ笑っちゃうだろう?
どれだけ消そうとしても消えてくれないから。
それは正に情熱。
情けない火。
ありがたいことにまだ音楽を続けている。
やめられないでいるとも言える。
音楽に助けられながら、音楽を作る。
今の状況は良くも悪くも全て思った通りじゃない。
でも言えるのは不幸か?と聞かれたら幸せですと答える現在であるということ。
どうしようもないヒビ入りこぼれていく。
水よりも澄んだ夢さえも。
それらは亡霊のように行列を成したままで何処へ行く。
亡霊の顔を覗き込む。
それは亡霊ではなくあの日の夢が歩いている様だった。
叶えてよって顔で夢が僕を見てた。
僕らの夢はなんだ。
僕らはバンドマンで、バンドはここにある。
新品ではないけど、バンドはここにある。
以下、親愛なる音楽様へ
Tell me My dear Music Music
まだここにいてもいいかい?いいかい?
音を鳴らしてもいいかい?いいかい?
迷子のあの子がママの元へと帰れます
ように 愛を愛を使い果たそうか
そうか、今がその時か
Music Music 毒でも薬でもいいから
あと少し力貸して
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