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[#145] 何とも言えない 『階級制を導入せよ』
『階級制を導入せよ』
軽く押しただけで思いの対戦相手が大きく動いた。
エアコンが効いたジムでもTシャツは絞れるほどの汗を吸い込んでいる。
普段聴かない音楽が流れるジム。
自分がある程度大きな体の男なのだと再認識する。
身長がそれなりに差がある人とボクシングのスパーリングをした時の話だ。
もちろんお互い本気ではやらない。
それでもやはり体重差というものは大切なんだと僕みたいなアマチュアでも体感した。
三分に一回と一分に一回鳴るブザーとBGMが不協和音を作っていた。
ボクシングは数㎏単位で階級が変わる。
それは同じくらいの体格の人同士じゃないとフェアじゃないし、体格差がある中でのパンチとは怪我では済まないこともあるためだ。
柔道だってそう。
空手、レスリング、重量上げなどなど。
身長など努力ではどうしようもないところでフェアに戦える状況を作っている。
ま、無差別級とかもあるにはあるが。
つまり体が大きければ大きいほど有利なスポーツは階級制を用いられフェアな状況を作っている。
ここで僕は疑問を抱いた。
「体重が少ない方が有利なスポーツはなぜ無差別のままなのだろう」
陸上の走る競技は体重が重いと良いタイムが出ないだろう。
それを言い出すと棒高跳びなんて同じ棒を使っていいのかも怪しい。
水泳だって体重が重いと水の抵抗を受けそうだ。
それを言い出すと高飛び込みなんて大きなスプラッシュを起こしてしまうに違いない。
他にも体重が大きいことでマイナスな影響を及ぼすスポーツはたくさんあるだろう。
なんで階級制じゃないんだ!!
もっと簡単に言おう。
なんでデブが有利な競技だけ階級制なのだ!!
これを書いている時に思ったこともある。
体重は置いといて。
身長が高い方が有利な競技もたくさんあるなと。
バスケットボール、バレーボールはもちろん、野球だってサッカーだって身長が高い方が有利なこともあるだろう。
ではそれも階級制や身長別なんてことがあってもいいのではないか。
こんな僕があーだこーだいう前に専門家などが話し合いや歴史、経験を鑑みて今の状況に落ち着いているに違いない。
外野の僕がこんなことを言うのも違う気がしてきた。
しかしやはり応援してしまう。
運動会でぽっちゃりした子が全力で走っているのを見ると、運動会に柔道という種目があれば一等賞なのに。
井上尚弥や大谷翔平のようなスーパースターにも憧れながら、ビリでも一生懸命な人にも胸を熱くさせてしまうのだ。
つまり何をやっても二等賞くらいだった僕自身に何だか絶望してしまうのだ。
その絶望感にこの年でも右ストレートを打ち込むためにボクシングで必死に汗を流す。
どっちでもない僕は汗を流せばいいのだ。
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