[#141] 何とも言えない 『バランスを取るというつまらなさ』

『バランスを取るというつまらなさ』

川を温くした三月と四月のにわか雨が五月の花を咲かす。

枯れない花はないけど咲かない花もあるさ。

なんて不公平だろう。

この感情にもう名前なんかない。

触れたこともないな。

同情はしない。

不思議としない。

バランスが崩れそうだ。

君は空で僕は海。

そこには交われない線が引かれてるけど着かず離れずが丁度いいか？

きっとこれ以上でもこれ以下でもない。

この感情は君のもとへ。

未だ名前もないままだけど君ならわかってくれる気がして。

これを愛と呼ぶには少し違うな。

これが最後。

こんなこと考えるのは。

すべて皆生まれながら公平でないと知っていた。

でもあまりにも。

公平とは死の時だけ。

生まれながら公平じゃない。

でもあまりにもそれじゃ淋しいな。

バランスをとる世界が僕らを引き裂く。

でも僕はあまりにも君が足りない。

でも僕はバランスを崩しても君が足りない。

でも僕は傾いたとしても君が足りない。

でも僕は世界をも傾けて君に会いにいくよ。

でもあまりにも僕には君が足りない。

公園で遊ぶ少年が向かいの犬に怯えていた。

あの女の子は好きな人に告白できないでいた。

行ったこともない国が戦争をしていた。

それぞれの問題に何の差があるのだろう。

あの歌詞を書いた時に始まった戦争は終わり、今ではまた違う行ったこともない国が戦争をしている。