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    [#139] 何とも言えない 『犬の尊厳』

    KITSU

    2023/08/28 19:00

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    『犬の尊厳』

     

    もし僕が犬に生まれ変わるなら犬種はなんだっていいけど。

    とにかく幸せな家族に飼ってもらいたい。

    殺伐としたご家庭もあるだろうけど、そこはやはり温かい家族に飼われたい。

    僕は飼い主に甘えて可愛がられながらその家族よりも先に死んでいく。

    ペットというのは自分の好きなタイミングでご飯を食べられないがそこは目を瞑ろう。

    それ以外は飼い主から可愛がってもらった分の倍の愛情で犬として人生(犬生?)を全うしよう。

    飼い主に楽しいことがあったら飼い主よりも楽しみ、飼い主が悲しみに暮れるならそっと飼い主に寄り添おう。

     

    愛犬のワカメがいない世界にも慣れてきたところ。

    東京の家では猫が二匹。

    彼らがいなければ心の傷はまだカサブタにもなっていなかっただろう。

    犬と猫では違うことも多いが、与えてくれる幸せはどちらも計り知れない。

    でも圧倒的な違いは散歩に行くか行かないか。

    だと思う。

     

    昔は犬のフンがそこらじゅうにあった。

    小学校の帰り道よく踏んだものだ。

    それが今ではどうだ。

    飼い主のマナーも良くなりキチンと袋に入れて持ち帰り処理している人が多いと思う。

    それは猫も同じだがウンチをしている時の彼らの表情は愛おしい。

    頑張れ!と言いたくなる。

    道でそんな場面に遭遇することもあるが、僕にもマナーというものがあるのでなるべく視線は送らないように。

    でも心では応援している。

    その間も横では飼い主さんが愛犬のウンチを拾うために小さなビニール袋を用意している。

    一連の行為は元々犬を飼っていた身としては微笑ましいのだ。

     

    性別は男のままで犬に生まれ変わるなら。

    去勢手術は致し方ないのだろうか。

    なかなか男としての尊厳が。。。などと古臭い考え方をしてしまうが。

    愛犬のワカメも、東京で飼っている猫も、全員去勢手術を行なった。

    なので僕が犬に生まれ変わった時だけ去勢手術はやめてくれと言うのも虫がいい話だ。

    甘んじて受け入れよう。

    でも一つだけ約束してほしいことがある。

    散歩中のウンチの処理の仕方についてだ。

     

    飼い主さんが愛犬のウンチを拾うために小さなビニール袋を用意している。

    横ではプルプルと可愛く気張る愛犬。

    それを微笑ましく横目で見る僕。

    その時だ。

    なんと飼い主さんはウンチが地面に着く前にビニール袋にウンチをそのままキャッチしているのだ。

    ビニール袋に手を突っ込んだ手でそのまま受け止めている。

    ウンチは一度も地面に着地することはない。

    ある意味地面に触れないことで街の清掃にも繋がっているのかもしれない。

    しかし僕が犬に生まれ変わったら約束してほしい。

    せめてウンチは地面に着地してから拾ってください。

    それはもう犬の尊厳に関わってくると思うのです。

     

    僕はなるべく用を足す邪魔をしたくないので犬とは目を合わせないようにしているものの。

    その時ばかりは犬と目が合った気がして、その時の犬の表情が「何とも言えない」だったことをここに報告します。

     

     

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