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[#126] 何とも言えない 『POP UP STOREとは時間だ』
『POP UP STOREとは時間だ』
素敵なアイテムを並べて買ってもらう。
東京、大阪どちらもレイアウト、動線、照明、音楽などなど。
KITSUらしい空間をスタッフと作った。
あーでもない、こーでもないと言いながら。
その時間が愛おしかった。
東京も大阪も天気に恵まれた。
天気によって来客数を心配するのはライブ当日にも似たものがあった。
でも違う点はライブはチケットの売れ行きが事前にわかっていること。
何ヶ月も前に借りた場所に人が来てくれるのかどうか。
未知なのだ。
あの何ヶ月も前に決めた場所で当日開店準備のために掃除をする。
掃き掃除をしながらここまでの数ヶ月の時間を想う。
アクセサリーの話。
東京ではゴールド、大阪ではシルバーが売れた。
こんなにわかりやすく差が出るならこれはもう県民性というしかない。
もちろん僕としてはどちらも可愛いと思っているから作っているし、日によって気分でアクセサリーは変えたい。
だからどちらも気に入っているのだが、この県民性はなんなんだろうか。
東京から大阪まで新幹線で二時間半。
その時間でこんな変化を味わえるんだな。
僕のことを知らずに入ってきてくれる人もたくさん居た。
吃音の方もたくさん来てくれた。
下北では飲みに行った店でKITSUを来てくれている人と飲んだ(僕のこともKITSUのことも知らずフラッと服が可愛くて買ってくれたとのこと)。
もちろんLEGOなど音楽から知ってくれた人もたくさん来てくれた。
そんな時スタッフに「営業時間中ずっと接客して疲れるでしょ?」と言われた。
確かにご飯食べれないし、立ちっぱなしで足がしんどいねと返答した。
「いや、それもあるけどずっとお客さんと話すのも疲れない?」と言われた。
あ、そんな発想はなかったな。
それに対して疲れはあまり感じていないことにその時気付いた。
「え?喋るだけで何で疲れるん?バンドの打合せとか企画会議とかなら疲れるのはわかるけど、接客は楽しいから疲れへんなぁ」
本心である。
計四日間のPOP UPで色んなアイテムを提供した。
でもたぶん一番届けることができたのは空間であり「時間」だ。
それはとてもとても愛しい時間を提供できた自負はある。
しかもその愛しい「時間」は来てくれた人から僕にも提供されているのだ。
可愛い可愛い心を込めて作った洋服、可愛い可愛い心を込めて作ったアクセサリー、可愛い可愛い心を込めて作ったレイアウトなどなど。
全部あの「時間」のためだ。
接客してて思った。
ライブだって同じだ。
たくさん練習して、たくさん話し合って。
そしてライブで皆んなに会う。
さすがにライブを接客だと捉えたことはないが、皆んなに会える時間のために頑張っている。
少なくとも僕はそうだ。
人に生かされている。
人と話したい。
人に触れたい。
そのきっかけをくれた吃音も悪いことばかりではないのかもしれない。
まとまりのないこの文章もあとで反省点をたくさん見つけるんだと思う。
でも一生不完全ならせめて熱さだけは冷めないうちに届けたい。
四日間ありがとうございました。
また時間を作ってやれたらと思いますし、時間を見つけて来てくれたら嬉しいです。
素晴らしい時間を用意できるように頑張るので。
あなたのためにも自分のためにも。
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