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[#301] 何とも言えない『指先』
『指先』
女の子みたいな指やね。
とか。
細くて長い指やね。
とか。
ピアノ習ったら?
とか。
幼い頃からよく言われた。
へー僕の指はそうなのか。
他の人の指なんて気にしたこともないから自分の指はそうなんだと思って生きた。
今思えばピアノはやっとけば良かったなと思う。
でも将来自分が音楽で飯を食うなんて想像もできていない幼い頃の僕はピアノを習わずにいた。
いつから左手の指先が硬いのだろうか。
ギターを始めたのが14才だったかな。
家にあったオトンの埃まみれのアコギを屋根裏から引っ張り出して、新しい弦を張った。
グチャグチャな間違った巻き方で。
初めがアコギだったので指はすぐに痛くなり(アコギ弦の方が硬くて力が必要)指先の皮は硬くなった。
何度もめくれて、また硬くなりを繰り返し今41才の自分の左手の指先もまだ硬いままだ。
もう27年も柔らかい左手の指先を触っていないのか。
日常にメリットもある。
レンジで温め過ぎて熱くなったお皿などを持つ時に重宝する。
左手の指先は硬く厚い皮のおかげで強いものになっている。
でもそんな生活感のある地味なメリットよりデメリットもある。
娘を触る時に少し躊躇うのだ。
しかも僕は左利き。
皮は今でも定期的に剥けるし、その向けた皮もまた硬い。
ささくれたその硬い皮は娘のほっぺを傷つけるかもしれない。
まぁ親父の指はこんなもんだと娘を洗脳するしかない。
寝ている娘のほっぺにそっと左手を当てる。
アコースティックアレンジの音源をリリースして、Billboardでライブをするのだからそりゃアコギを練習する日々だ。
指が悲鳴を上げている。
いつものエレキだとこうはならない。
来週僕は誕生日を迎える。
42才というもはや自分ではよくわからない年齢に突入する。
しかもその日はBillboard東京でアコースティックライブだ。
幸せ者だ。
カチカチの指先で柔らかい音を届けたいと思う。
27年間も硬いままの左手の指先との付き合いはまだ続くとは思う。
でもバンドなんていつ止まるかわからんと、友達のバンドの解散や活動休止で痛いほど理解しているつもりだ。
頭の隅でそれを感じつつ、何も変わってない馬鹿なふりしてバンドを続ける。
だから僕の指先も当分は硬い予定。
このタイピングする指先もちょっと痛い。
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