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[#262] 何とも言えない 『大阪偕星学園』
『大阪偕星学園』
去年大阪のPOP UPで嬉しい出会いがあった。
大阪の高校の理事長。
理事長と聞くとおじいちゃん?と思われるかもしれないがそうではない。
僕よりも年下で行動力に溢れ、そして考え方も柔軟で、学校を”おもろい”を見つける場所に!というコンセプトで改革を行う人なのだ。
「うちの学校で”生き方ゼミ”という講演会があるんですけど出演してくれませんか?」
「1クラス2、30人の前でですか?」
「いえ!一年生全員の500人くらいの前でです!」
「ご、ご、500!?」
自慢じゃないが。
500人の人間の前で話したことはあるし、それ以上の人数だって経験している。
僕はステージに立つバンドマンだ。
舐めてもらっちゃ困る。
とは思ったもののそれは少なくとも僕らのバンドに興味を持ってくれている人のたちの前だ。
今回はそうではない。
見えるもの全てがウザくて、いかに異性にモテるかにしか興味がなく、斜に構えて生きている高校生たちだ。(ど偏見だけど、僕自身がそうだった)
何より学校のそういう授業以外の行事がウザかった。
実際僕は高校の修学旅行に参加していない。
その間に友達と違う場所に旅行に行った経験があるくらいの斜に構えた高校生だった。
今考えると全く可愛げのない自分だ。
僕が話しかける高校生たちもそんなお年頃なんだろうと覚悟した。
「実は生徒たちって興味ないふりして、片耳では聞いてくれてるんですよ」
この言葉に勇気を貰った。
大阪偕星学園には初めて行く。
大阪環状線に久しぶりに乗って桃谷駅で降りる。
僕の足は少し震えてる。
地面を踏みしめているふわふわした感覚のまま学校に着いた。
校舎もグラウンドも体育館も初めて見るのに懐かしい。
職員の方が時間まで学校内を案内してくれる。
たまたまあった鏡に映る自分が目に入る。
偏光メガネをしていたため日光によりサングラス姿。
そして金髪のロン毛。
学校という世界に入るといかに自分が”普通”ではない”異物”だということが如実にわかる。
この”異物”が今から生徒たちの前で話すのか。
慌ててサングラスを外した。
でも実は僕は自分のことを”異物”だと思ったことはそんなにない。
そう言っておいた方がコミュニケーション上で話が早いと思う時があるのでそう言っていることが多い。
僕は誰と比べても”普通”の”同類”なのだ。
生徒たちの前でそんな話をしようと決めていた。
せっかく吃音者が頑張って話している講演なのでここで文字として残すよりも改めて動画でニュアンス含めて見てほしいのでどこかでアップします。
なので内容を詳しくは書かないでおきますね。
でも”普通”とは何だと思いますか?という話をしたのだ。
僕は自分で普通の人だと思っている。
そんな話をした。
そりゃダルそうに聞いている生徒もいたかもしれないがほぼ真面目に聞いてくれた生徒たち。
その瞳は吸い込まれそうになる。
「タナカさんに質問ある人いますか?」
最後に司会の方が生徒たちに質問する。
やめてくれ~と思った。
なぜなら僕に質問なんてあるわけがないや~んと思ったから。
しかし何人もの生徒が手を挙げてくれた。
ありがとう。
終わった後も生徒たちが話しかけてくれる。
なんてピュアな生徒たちなんだろう。
学校を出て新大阪駅で新幹線に乗る。
気持ち良さが尾を引いている。
ふとインスタを見ていると見知らぬ人からメッセージが来ている。
”本日学校に来てくださりありがとうございました”
そう書かれていたスマホの画面を見る僕は涙をこらえるのに必死で富士山を見逃した。
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