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[#253] 何とも言えない 『小説だと!?POP UPだと!?』
『小説だと!?POP UPだと!?』
誰が想像したでしょうか。
僕自身が考えたこともなかった。
連載ということ。
ジャンプが発売される月曜日が待ち遠しかったあの頃。
「あの駄菓子屋は日曜の朝にはジャンプが並ぶぞ!」という噂を聞きつけてチャリンコを飛ばしたあの頃。
僕の小説の更新が待ち遠しいと思ってもらえる内容がそこにはあると自信がある。
このコラムがあったから小説に行き着いた。
つまりこのコラムを読んでくれるあなたがいたから小説に行き着いたのだ。
これは媚びてるわけでもお世辞でもない。
本当にそうだ。
編集の人と打ち合わせをするにあたってここまで毎週積み上げたコラムが履歴書になった。
「これだけコラム書いてきたなら小説も書けるよ」
編集の人がそう言ってくれた時に、毎週このコラムを頑張った自分と読んでくれるあなたが思い浮かんだ。
小説はもちろんフィクションだ。
でも全てが作り物ではない。
どこが実話でどこが作り物とか説明はしない。
そんな野暮なことはない。
誰だってドラマチックな人生を歩んでいるのだ。
そこに少しの想像力をプラスして文章は鼓動を始め自立して歩き始めるのだ。
「ヒロキの歌詞ええな!」
そう言ってくれた先輩の言葉にしがみついて作詞家として生きてきた。
「毎週コラム楽しみにしてます」
そう言ってくれる人がいる安心感で毎週更新ボタンを押せている。
「自信ないとか言って書けてるじゃないですか!続きが気になって仕方ないです」
そう言ってくれる編集の方がいてドキドキしながら原稿を見せる。
褒められて伸びるタイプです。
文章にまとわりつかれた人生だ。
振り払うでもなくこっちから抱きしめてやるのだ。
僕のめんどくさい性格が存分に発揮されている小説になっている。
会話も情景描写も内省的表現も歌詞も。
でもどこかリアルを覗き込んでいるような。
少しずつ、普通の人よりも遅い速度で成長していく登場人物を愛を持って見守ってあげてほしい。
僕も描きながら全員が愛おしくて、悲しいシーンでは泣きそうになる。
彼らはこれから激動の人生に突入する。
作者自らネタバレしそうで注意しないといけない。
バンド、吃音、生死、人生。
全てこの小説に置いてこようと思う。
バンドはツアー中。
合間に育児。
子供が寝ている間に歌詞書いて小説書いてコラム書いて。
そしてKITSUのPOP UPの準備。
新作の撮影や告知画像の制作。
年内最後に直接会える場所を作りたかった。
今僕がライブよりも密にあなたに会える場所。
それがKITSUのPOP UPだ。
先ほど書いたように褒められたいのだ。
洋風も、音楽も、小説も、育児も、人生も。
お互い褒め合いましょう。
ここまで来た仲はないかと。
来年バンドが20周年、小説、POP UP。
自分で舞台を揃えてきた。
いつ終わってもいいとさえ思える舞台を。
来年の自分たちが楽しめる舞台も今準備している。
”バンドはいつ見れなくなるかわからんから今のうちに見ておいた方がいいよ?”
っていう言葉が好きではない。
でもそれは真実ではある。
脅し文句みたいに聞こえるのが好きじゃないだけで嘘ではないのだ。
小説もPOP UPも次あるのかもわからない。
でももし、もしよ?
もし活動が止まっても作品を残せる職業で良かったと思う。
音楽も歌詞も洋服もコラムも。
そこにまた小説という作品が増えて僕は嬉しい。
仮定の話ね?
小説は本当の現実世界と、僕の脳内の文字の海。
僕が酔いそうになることが多々あるんですがついてきてね。
そして毎週楽しみにしてね。
そしてPOP UP会おうね。
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