ハートをおくったユーザー
ハートをおくったユーザーはいません



[#249] 何とも言えない 『誕生日の人が多い』
『誕生日の人が多い』
周りに十月が誕生月の人が多いのは僕だけですか?
それとも統計上そういうものなんですか?
今顔を浮かべるだけでも今月誕生日の人が八人はいる。
全員にプレゼントを渡しているとキリがないので絞る。
このコラムが更新される日に一番近い誕生日の人はメンバーのシンタローさんになる。
彼は十八日に誕生日を迎えた。
おめでとう。
十五歳だった彼は地毛が少し茶髪で、学校に地毛だという証明書を提出していた。
地毛が漆黒の僕はそれをとても羨ましく思ったものだ。
バイクが好きで左利きで、何よりベースをやっていた。
同じように楽器をやっていても今まで聴いてきた音楽が違いすぎて教室で会話するのが楽しかった。
僕はハイスタとかゴイステとか、メロコアと呼ばれるジャンルのバンドを聴いていた。
彼はGLAYとかラルクとかMr.BIGとかテクニカルなバンドを聴いていた。
「そんな速弾きできるわけない!!」
そう言って僕はそっちのジャンルは諦めていた節がある。
あんなにB'zが好きなに。
「何この曲!?誰の曲??」
カラオケで彼が歌っていた曲があまりにかっこよくてまだ歌っている彼に聞いてしまった。
彼も優しいもんだから歌うのをやめて僕の質問に答えてくれる。
「BUMP OF CHICKENってバンドのハルジオンって曲やで」
「ほえ~」
ほえ~なんて馬鹿みたいな返事をして、その曲と歌詞を真剣に追った。
藤原基央の声ではなく、シンタローの声のBUMP OF CHICKENを。
そんな彼がまたひとつ歳をとる。
ここから一週間だけ僕だけがバンドで年下となる。
金木犀の香りがすると皆んながうるさい。
僕はいまだに金木犀の香りがどれのことなのか理解していない。
嗅いでいるけどそれが金木犀と一致していないのか、僕だけ金木犀の香りを察知できない鼻なのか。
今僕はこのコラムをドトールで書いている。
今年初めてアイスコーヒーではなく、ホットコーヒーを注文した。
秋がやっとやってきた。
そんな秋という季節は実りの季節と言えよう。
それは誕生日が多いのと関係があるのかもしれない。
春に種を蒔き、夏に手をかけて、収穫の秋。
金色に染まる田んぼ、たわわに実る果実。
そんな秋に誕生日が多いのも何だか理解できてきた気がする。
そんな僕もシンタローの一週間後には誕生日を迎える。
もう歳なんてどうでもいいと本心から思うのだが、祝ってくれる人がいるからお礼を言う。
来週はそんなコラムを書けたらいいなと思う。
こちらのコラムが気に入った方はハートでのご支援をお願いします。
支援金の一部は、吃音症で苦しむ方々のNPO法人へ寄付されます。