『レジで小銭をしまう時間』

せっかちである。

即ち待つことが嫌いだ。

なので逆に待たせることも嫌いだ。

自分がされて嫌なことは人にもするなと教えられたことが忠実に自分の性質となりめんどくさい人格を作り上げた。

SuicaとかPayPayとか。

今はそれらがあるからだいぶマシになってきてはいるんですが。

僕の家の最寄りのスーパーはそれらどころかカードも使えない。

今では珍しい現金オンリーのスーパーだ。

恐らくこの店にはマニュアルとかは存在しない。

大型スーパーではなく、地元の個人経営ならではのものだ。

僕はそういうのが大好きだから特にそういうのは気にならない。

そこのレジの店員がまた味のある人だらけで、片言にも辿り着いていない日本語を話す外国人や、蚊が鳴くよりも小さい声で話す日本人の女性、袋要りませんと言っても100％聞き返してくるおじさん。

そして彼らはお釣りの小銭を渡してくる方法も様々だ。

僕は財布と小銭入れを別にしているためお釣りをもらった時に手間取る。

その店員を待たせ、後ろの客も待たせている時間がかなりのストレスなのだ。

申し訳ない気持ちに2秒でなる。

もらったお釣りを大きな袋にぶん投げてすぐにレジを開けてあげたい気持ちと、お釣りをもらう権利はあるのに何故そこまで焦る必要があるのかと開き直る気持ちが混在して、最後はお釣りどころか買ったものまでぶん投げたくなる。

この時間が果てしなく長い時間に感じて僕はいつも冷や汗をかきながら袋に硬いものから入れて最後に卵を入れるのだ。

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