[#202] 何とも言えない 『ドラマ』

『ドラマ』

誰かが言ってた。

「ドラマはあるけどチックがない。物事はドラマチックじゃないと」

僕らはドラマチックに生きているだろうか。

それは波瀾万丈な者ではない。

日常がそうであるかどうか。

そんなことを頭に入れながらこの歌詞を書いた。

初めてCDが出来た時の喜びは覚えている。

自分たちで金を出し合って業者にお願いした。

メンバーでせーのでビニールを開けた。

久しぶりにCDを作った。

あの頃と同じ喜びかと言われれば同じではない。

でもそれはネガティブなものじゃない。

僕らは積み重ねてきた。

年齢だけじゃない。

だから今がある。

そんな今、久しぶりにCDを出した。

絶対に違う意味の喜びがある。

もう恥ずかしいからメンバーでせーのでビニールを開けたりしないけど。

「午後には日が当たる部屋　そこで待つよ」って歌詞ええな。

ベースのシンタローが言った。

特別気に入った歌詞でもなかったけど、そう言われると素敵なフレーズに思えてくるんだから僕はなんて単純なんだ。

僕は「魂を見せ合う契約　嫌なところを突く仕草にも似た」と「何も起こらない　そんな日常こそ愛しいドラマ」って歌詞が好きだ。

この二つでタイトルを悩んだくらい。

うん、めちゃくちゃ悩んだ。

そこにも僕だけの小さなドラマがあったんだ。

知らぬ間に生まれ落ちてた　頼みもしないのに　まだ寝たいのに

知らぬ間に恋に落ちてた　魂を見せ合う契約　嫌なところを突く仕草にも似た

選べぬ親とは違う　自分の意思で君を選ぶ

午後には日が当たる部屋　そこで待つよ

君じゃなきゃやだ　似合わない甘い声出していいかい？

手の甲が常に触れている絶妙な距離で

明日は何しようか？　酸いも甘いもこの先に待っている

立ち向かえない時は僕ら手繋いで逃げればいいさ

いたずらに時を重ねた　傷つけ合う日々　愛し合う日々

ひたすらにわがままでいたけれど　生活を分け合う弊害　一人で生きる方が楽だけど

この物語は続く　自分の意思で栞挟む

忘れちゃいけない今に君を刻もう

何も起こらない　そんな日常こそ愛しいドラマ

目の奥が常に濡れている絶妙な涙

飽きたら何しようか？　次の未来も行列を成している

差し支えないならば僕と最後までいてくれますか

当たり前のように黄昏の時間

変わり映えのない毎日を繰り返す

暗闇に怯えよう　朝焼けに笑い合おう

おはようからおやすみを今日も繰り返す

君じゃなきゃやだ　似合わない甘い声出していいかい？

手の甲が常に触れている絶妙な距離で

明日は何しようか？　酸いも甘いもこの先に待っている

立ち向かえない時は僕ら手繋いで逃げればいいさ